2014年6月25日水曜日

猫が寝ている間に

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洗濯場で猫が寝ている。

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出勤の電車の中で枡野浩一さんの初期の歌集『ますの。』を読み返していた。吊り革、や、通過電車、とか、電車関連の短歌が結構あることに気づく。あ、考えたら中澤系の「3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって」も永井祐の「あの青い電車にもしもぶつかればはね飛ばされたりするんだろうな」もそういう電車関連の歌だよな。身体にまで、「電車」や「駅」やその他が、食い込んでるってことなのかしら。

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まだ寝てる。同居人が「ぼっちゃん」と名づけた茶色の猫。

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「かばん」の柳本さんが、「花束」という言葉が出てくる川柳や短歌をまとめてブログを書いている。私の「花束」の歌も評されている。感謝。

http://yagimotomotomoto.blog.fc2.com/blog-entry-107.html

引かれているのは

●さめればいつも明るき街よ花束を背にくくりつけておくれ、誰か

という歌で、書かれて思ったがこれ以外にもいくつか私は花束の歌を書いている。

●花束を手渡すパントマイムだけおぼえていたく思うゆうぐれ

●車から花束不意にわたされて立ち尽くす夏の写真のように

●花束はシー・パール すべて捧げたる身にオオハクチョウの羽根のみ残り

うーん、男のくせにこれだけあるとなんか自分で気色悪いぞ。あと「薔薇」もいくつかあるし「ピアノ」もいくつかある。同じ言葉を使って悪いってことはないけれど、なんか芸がないって感じもするな。

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「ぼっちゃん」は本格的に寝ちゃった感じ。いまはお腹をこっちに向けて寝てる。

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「新潮」2014年1月号掲載の、森田真生さんの「計算と情緒」という岡潔や数学についての文章がとってもおもしろかった。脳には「数覚」というものがあるらしいが、それでは数を「3」までしか正確に把握出来ないらしい。そんな! 短歌も俳句も書けないじゃん! (そういう問題かよ)

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まだ寝てる。ずっと寝とけよ。な。

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2014年6月15日日曜日

【附録】「琴座」「未定」書影など



 そんなに貴重な雑誌というわけでもないが、「琴座」が一冊だけ残っていたので書影もあげて見ることにした。「琴座」は平成九年一月発行の終刊号。表紙はもちろん永田耕衣筆。入会してからずっと(!)この表紙だった。それはそれで良かったのだった。
 「未定」は52号と高屋窓秋の特集号、それに私の好きな小包郵便をそのまま表紙にデザインした31号をアップしてみた。


【俳句】「未定」掲載のそのほかの旧原稿




 最後に「未定」に載せたものを同じようにアップしておく。



【俳句】「光の行方ー安井浩司論」その3




 90年代初頭と違って今はすぐれた安井論も書かれているのでいまさらとはも思うけれども。
 



【俳句】「光の行方ー安井浩司論」その2





56号と57号の二回分。「未定」は年四回の季刊だった。



【俳句】「光の行方ー安井浩司論」その1





 この機会に92年から93年にかけて書き、「未定」に連載した安井幸司論も同じjpg画像でアップしておくことにする。拙いものだが、この時点で全句集はまだ未刊行。俳論「渇仰の果て」も読んでいなかった。それでも必死で書いていた。これは「未定」55号と56号の二回分。




【俳句】「琴座」掲載の旧原稿その7



 前号の句評、5年7・8月号と、最後の11・12月号分。
 これ以降は「琴座」には書いていないと思う。
 パソコン通信や、ニフティ・サーブの「ftanka」をきっかけに、ゆっくりと私は短歌へ回帰していった。


【俳句】「琴座」掲載の旧原稿その6




 同じく5年の9・10月号は永田耕衣に関する論考の特集だったと思う。4ページをかなり苦労して書いた。



【俳句】「琴座」掲載の旧原稿その5




 平成5年5・6月号は当時の「琴座」編集長の金子晉さんの特集でこれも3ページ。金子さんの評論集では加舎白雄について大変勉強させてもらった。


【俳句】「琴座」掲載の旧原稿その4



 平成5年の1・2月号より。この号は当時少し「琴座」に集まっていた若手-といっても30前後だが-の五名による17句の競作特集で中岡毅雄さんとかと一緒に贅沢に2ページ載せてもらった。飯塚さんがおぼえていたのはこの一句目。このころすでにちらほらと出始めていた安井浩司フォロワーっぽい句になっている。
 「鷹としてふいにけむりをさけるかな」の句は、句会で永田耕衣に少し褒めてもらったし、一連は安井浩司にこれも「よかった」といってもらえた。
 次のページの左は、結社誌でよくある前号からの秀句選で、永田耕衣を中心に集まっていた人々の雰囲気や空気が少し出るかとそのまま載せて見た。一年間、6冊分やらせてもらった。

【俳句】「琴座」掲載の旧原稿その3



 平成4年の11・12月号に書いた、「琴座」同人の徳永希代子さんの句集『桜麻』の評。同人の方はそれなりにこのころ句集を出していた。阿木津英のものを引用したりと結構苦労しながら書いてるのがよくわかる。

【俳句】「琴座」掲載の旧原稿その2




 こちらは同じ平成4年の7・8月号(ずっと合併号だった)に書いた鳴戸奈菜さんの『天然』の句集評。右上の手書き文字は、俳句文学館でコピーしてもらったときの向こうの職員さんの書き込みである。雑誌は処分してしまったので、たまたま一度だけいったときに、まとめてコピーしたのである。そのときはまだ「セレクション俳人」が出る前だったから、向こうの席で対馬康子の『愛国』を開いていた女の人がいたことを今でもよくおぼえている。

【俳句】「琴座」掲載の旧原稿その1





 ツイッターで飯塚距離さんから、昔アップロードした「琴座」掲載の私の句について少し触れてもらった。このサイトも作成時からは二回ほどサーバーが変わっていて、すでにファイルが行方不明になっているものもある。HTMLにまたリンクをはるよりも、と思ってこちらのブログにjpgで印刷ものをスキャンしてアップすることにした。
 「琴座」は永田耕衣主宰の俳句結社雑誌で、1990年に入会したのは確かだが退会はいつだったかおぼえていない。終刊まで同人だったような気もするが、誌面に作品を寄せていたのは93年ごろまでだったように思う。
 この記事にアップしたのは平成4年の5・6月の合併号に書いた五十嵐進さんの句集『指』の句集評。句集は大岡さんの端渓社から一字題の句集のシリーズとして出た一冊である。